寄付とカツアゲが紙一重になっている気がする。
先日、彼女と二人で駅へ向かいトボトボ歩いていたところ急に声をかけられた。
「スミマセン」
とタドタドしくも頑張って発したであろう言葉を発しながら行く手を遮り、間髪入れずに1枚の紙を見せてくるちょっと可愛らしい東南アジア系少女。
【恵まれない子供たちに寄付をお願いします。】
続いて今まで寄付をしたであろう人達の名前と金額が書かれたノートを渡してきた。
この時点で寄付の【お願い】は既に成功し、あとはこちらの金額開示のみ。日本男児ならばこの状況で0円といえる人は少ないだろうというところに目をつけた素晴らしい経営手腕。
日本 大太郎 1000円
北海道 大太郎 500円
九州藻 大太郎 1000円
名古屋 和著都 500円
遠慮 島須 500円
(プライバシー保護のため名前はちょと変えてます)
最低金額は500円らしい。
くそリッチどもめ。
コンビニの募金箱にだって10円以上入れたことないし、年末年始だって普通は5円だろう?揃いもそろって見栄張りやがって、この少女がおっさんだったなら、このノートは今頃マッサラな状態か、100歩譲ったって桁が一つ少なくなってるに違いない。
少なくとも自分がこの少女と同じことを8時間労働した場合、普通に会社にいったほうがずっと稼げる状態になるってことはわかる。
基本財布を持たないこの豚はスイカとポケットマネー(小銭)のみで日々を生きているため、ポケットに片手をガッと入れて小銭を引っ張り出した。
500円玉なんて高価なものはほとんどもっていない。
あってもせいぜい100円だ。
そんなことをすればこの少女の最低金額を一気に落としてしまうことになるだろう。
だけど分かってほしい。こっちだって決して裕福ではないし、色々我慢して生きているんだってことを。
だがこの日は違った。
私のポケッツからは普段出てくることのない500円様が降臨なされた。
なぜ?
疑問に思う。
刹那12時間前に時間は遡り、喫煙仲間とのランチを断り一人でワンコイン弁当を買いにいく自分の姿が移る。ワンコイン弁当を受け取りその対価として渡した野口さん。しかし野口さんでは割に合わないというこうとでやってきました500円様。そのままポケットへイン。
そして時は動き出す。
こんな時にわざわざ出てきやがって、、、
だけど悲しいかな僕、日本産の豚なのよね。
国産 マダオ 500円
ノートに上の一文を記入し、ポケットから500円様は消えた。